地盤沈下の責任は誰に?

愛知県小牧市にある桃花台ニュータウンで発生した、地盤地下による損害賠償請求の判決が先日出ました。
結果は、原告である都市再生機構の訴えが却下され、被告である愛知県が勝訴しました。

却下された理由は時効です。
つまり、責任の所在が不明なまま判決が出されてしまいました。

この問題は、家が傾く現象が2001年に発覚し、住宅を販売した都市再生機構の調査により、造成宅地の地盤が沈下したものとわかり、以後、住宅ユーザーが都市再生機構に損害賠償を求め、都市再生機構は造成工事を行い宅地を販売した愛知県を訴えていたものです。

地盤沈下の原因は、宅地造成前に埋め立てられていた、膨大な量の産業廃棄物らしいのですが、愛知県は認めていません。
土壌からは、鉛や水銀、ヒ素といった有害物質が検出され、マスコミにも取り上げられ大きな問題となっていました。

結果は、時効であるとの判断により、都市再生機構の言い分が棄却されたわけですが、地盤沈下の責任はいったい誰にあるのでしょうか?


桃花台ニュータウンは1988年から分譲が開始されたとありますが、沈下の現象が現れたのが2001年です。すでに12年が経過していることが、より原因や責任の所在をわかりづらくしています。

一般的には、住宅を建築する場合、地盤の調査はスウェーデン式サウンディング法によって行なわれています。都市再生機構がこの方法で地盤調査を行なったかどうかは不明ですが、標準貫入試験と異なり、土質のサンプルを採取するわけではありませんので、信頼性に若干の不安がある調査方法です。

ただ、標準貫入試験は費用がスウェーデン式サウンディング法に比べると数倍となり、住宅の工事では使われていません。

スウェーデン式サウンディング法による地盤調査の結果、杭打ち工事などの地盤補強が行なわれていなかったとしても、一概に都市再生機構の責任であるとは言い切れないものがあり、ますます責任の所在を不明にしてしまっているように思います。

また、地盤沈下の原因が産業廃棄物にあるとなれば、単に地盤の補強だけの問題ではなく、有害物質が埋め立てられた環境の中で、今後も生活をしなければならない住宅ユーザーにとっては、もっと問題は深刻なことです。

今後は住民らによる、国に対しての働きかけが始まるようですが、水俣病や四日市の大気汚染など、公害問題とも言える状況になってきます。土壌汚染の恐れがある地域での、宅地開発を行なった愛知県にはまったく責任が無いとは言えないと思うのですが、今後の成り行きを見守ってみたいと思います。
posted by イソップ at 05:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 欠陥住宅を考える
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